鳥居崎の手習所
更新日:2010年8月24日
左「鈴木嘉之助壽碑」右「地区の大ケヤキ」
寒河江むかしさがし
市史編纂委員 宇井 啓
平塩の鳥居崎(とざき)といえば、鈴木庄助(正栄)家を指す。この辺りに平塩熊野神社の大鳥居が立ち、古い4軒の家があった。
鈴木家もその一人。最上義光のお墨付きを持つ鈴木藤左衛門の一族という。
鈴木家の五代は嘉之助。文政10年(1827年)5月の生まれで、幕末から明治にかけて手習所の師匠を勤めたのであった。
明治5年の大火でセガイ造の大きな建物が焼失。その後に建てた三間取の家。
中の間が16畳ほど。
おそらく、この部屋で読み・書き・算盤を教えたのであろう。経歴など何も分からない。新しく、小学校が開かれても習いに来る子があったのだろう。
屋敷の一角に建つ「鈴木嘉之助壽碑」。明治19年10月、門人38名が先生の還暦祝に建立したもの。
これによると、平塩21名、小塩11名が大半で、岡、本楯、島、和合、山形青田からも入っていたことが分かる。
寒河江上町の医者鈴木玄齢、島の旧家大谷彦右衛門などの名も見える。
明治31年8月16日。地域の子弟を教育した嘉之助は、71歳の生涯を終えた。鈴木家には、算盤の先生だったということしか何も伝わっていない。
三反歩という広大な屋敷の西方に鎮守の稲荷を祭る。東方には、鳥居崎のシンボル大ケヤキが巨大な羽根を広げたように天をおおう。
誰も目を止めなかった嘉之助の記念碑。今、長い眠りから覚めたように春めく光に輝いていた。
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