寒河江のひな祭り
更新日:2025年2月5日
「おひな様」見せでけらっしゃい
雪が消えて地面が顔を出す四月三日(旧の三月三日)が、寒河江のひなまつりであった。その二日前には寒河江の大通りに「おひなまつ」・節句市が立った。おひな様を売る店、おひな様にあげる生カドなどの海産物や野菜を売る店が道ばたに並んで近郷近在から人々が集まってきた。脚立など春の農作業に使う道具がたくさん並んだ。
各家々では座敷にひなを飾り、生カド・つぶ(タニシ)やアサヅキの酢味噌和え、ちらし寿司・砂糖をまぶした豆・あられなど家々で作った料理をあげて無病息災を祈った。
子供たちは、三々五々連れだって各家のおひな様を見に出かけた。「おひな様見せでけらっしゃい」と挨拶をして見終わってから、袋に砂糖まめをもらって来るのだった。大きな家には豪華な雛、家によって様々な雛が並んでいた。女の子が生まれると、嫁さんの実家でおひな様を贈る風習もあった。
今のように一度におひな様一式を買うことができなかったので、小遣いをもらったら、姉がこの人形、妹はこの人形というように、違った人形を毎年少しずつ買い足していった家もある。こうして内裏びなの他に土の人形、焼き物の人形も飾られたのであった。今から見ると実に慎ましやかな雛飾りの家が大半であった。
寒河江地方のひな人形は、寛永びなや享保びな・古今びななど江戸時代に入って来た物もあるが、その多くは鉄道が敷かれてから、明治から大正時代にかけて京都から古いひな人形をセットで移入したのであった。こうした雛も雛市で売られたのであった。
また江戸の土産にひな人形を買って背負ってきたという箱書が残っている家もある。人々は少しずつ雛の文化に目覚めてきたのであった。
今日では毎年春、山形県村山地方で「ひな街道」と称する行事が行われて大勢の観光客が集まるようになった。寒河江ではチェリーランド・古澤酒造・慈恩寺陣屋・寒河江八幡宮で雛を鑑賞することができる。
平成26年3月市立図書館発行「寒河江の人物・行事」リーフレットより
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