さくらんぼ大百科事典【さくらんぼ豆知識】
更新日:2012年5月31日
幸福の果実さくらんぼ
ヨーロッパには、こんな言い伝えがあります。
聖母マリアが夫ヨセフに木になっているさくらんぼを採ってくれるようにねだりました。 しかしヨセフはいじわるをして採ってくれません。 そうしたら不思議なことにさくらんぼの枝がマリアの口もとまでたわんできたといいます。
そのことから、さくらんぼはマリアの聖木とされ、花は処女の美しさを表し、果実は「幸福の果実」「天国の果実」にたとえられています。花ことばは教養と精神美。
「さくらんぼ」の名前の由来
桜の木になる小さな実は昔、さくらんぼう(桜ん坊)と呼ばれていました。この実が黒く熟すと甘ずっぱい味になり、子供達は争って木に登り、口のまわりを真赤にして食べたものです。
今、初夏の果物として知られているさくらんぼは、明治初期日本に初めて導入されたときには桜桃と呼ばれていました。
桜桃という名前は、もともと中国の実桜の名として使われたもので、唐代の有名な詩人である王維や杜甫の詩の中にも登場したり、また桜桃口というふうに、女性の美しい唇を表す形容としても使われていました。
江戸時代の初め、中国から日本にユスラウメが伝来したときに、この桜桃の字が当てられ、その後明治になって導入された西洋のチェリーにも使われたのです。
それを昭和の初め、東京の新聞社がさくらんぼと表し、だんだん定着していきました。現在では寒河江やその他の産地でもそう呼ばれています。
ぼとかぼうというのは、あかんぽうなどのようにかわいらしいものの形容であり、さくらんぼの愛らしさにあてはめられたものと思われます。
さくらんぼの品種
世界にあるさくらんぼの品種は、1,500とも2,000ともいわれています。日本には、明治時代に外国から約80品種が導入されました。
そのうち日本の気候に適するもの、日本人の好みに合うものが栽培されました。当時は、横文字の名前では呼びづらく、農家の人たちは番号をつけました。今でも8号(黄玉)、10号(ナポレオン)などという人がいるのはそのためです。
明治43年に決めた名前では、日の出、黄玉(きだま)、高砂(たかさご)、那翁(ナポレオン)など、現在でも栽培されているものも多く残っています。他に珊瑚(さんご)、瑪瑙(めのう)、琥珀(こはく)といった宝石や装飾品の名前を付けられたさくらんぼもありました。明治時代からさくらんぼには「初夏の宝石」のイメージがあったのですね。
気難しいさくらんぼ
さくらんぼは、なかなか気難しい植物です。気温、降水量など自然環境の影響を受けやすく、それが樹の生育やその年の作柄を大きく左右します。
- 気温
冬眠が必要な植物であり、夏期に行われる花芽形成には、夜間低温であることが不可欠です。しかし、開花期の低温と霜は厳禁で、マメコバチや三ツバチなどの昆虫が活動できる温度が必要です。かといって、気温が常に高ければ枝だけが伸び、実は結ばなくなります。
- 降水
開花期に雨の多い地域では、気温と同様に受粉がしにくくなってしまいます。収穫期の雨は、実割れや病気発生の原因となり、梅雨に比較的雨の少ない風土を好みます。
- 土壌
耐水性の弱い根をもつため、水はけのよい礫質の多い扇状地等が適しています。
- 風
根が浅いので、風の強い地域では倒木が心配です。 以上のような条件から山形の村山盆地、それも寒河江の地にさくらんぼが定着しました。
さくらんぼの種吹きとばし大会
スイカの種とばしなら縁側で子供のころよくやった遊びですが、ここ寒河江市ではさくらんぼの種とばし大会を昭和61年から開催しています。
老若男女県内外問わず大勢の人が口をすぼめて挑戦します。
遠くへとばすコツは?
- 種から果肉をできるだけきれいに食べる。
- 舌をまるめて筒状にする。
- 体の反動を使って45度の角度へ吹く。
桜桃忌
「斜陽」「人間失格」等で有名な太宰治の命日は、桜桃忌と名付けられています。太宰は、こよなくさくらんぼを愛し、遺作も「桜桃」という短編でした。命日は、6月19日ですが、奇しくもこの日が39歳の誕生日でもありました。太宰が弔われる東京三鷹の禅林寺では毎年多くのファンが供養に訪れ、墓前にはさくらんぼが供えられます。
この時期寒河江のさくらんぼは最盛期を迎えます。
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