手編み草履
更新日:2020年12月21日
寒河江の草履産業
寒河江市の特産品の1つに、稲わらなどの自然素材を使った「手編み草履」があり、国内生産量の9割以上を占めています。職人の技が光る「手編み草履」についてご紹介します。
農家の副業、草履作り
草履編みのようす(昭和25年)
草履の生産は、米、養蚕に次ぐ農家の収入源で、冬季間の農家の副業として山形県全体に広がっていました。昭和16年には、山形県の草履生産がピークに達し、生産高2,000万足で全国の8割を生産していました。同年秋には、寒河江町(当時)に草履加工場が創設され、草履業界は全盛期となりました。
しかしその後、戦争時の統制や労働力不足、生活様式の和式から洋式への変化、それに伴うスリッパや安全靴の発達などにより、草履の生産数は激減していきました。
現在、手編み草履の生産を行う事業者は、寒河江市内の事業者を含め、全国でもわずかしかおらず、貴重な存在となっています。中でも、寒河江市の生産量は国内生産量の9割以上を占め、日本の草履産業の中心となっています。
幻の品種「豊国(とよくに)」
豊国草履
大正昭和期に盛んに作付された稲の品種に「豊国」があります。豊国は、節の長い品種で草履作りに適していました。しかし、稲が倒れやすいなどの理由から、次第に稲作としては敬遠されるようになり、多収穫の品種に切り替わっていきました。「豊国」が作られなくなったことも、草履の生産数が激減した理由の1つと考えられています。
平成に入り、市内の事業者がこの「豊国」を復活させます。実は「豊国」は酒造りにも適しており、収穫された米は酒米として使われています。もちろん稲わらは、草履に使われており、幻の品種「豊国」を使った手編み草履「豊国草履」も特産品の1つです。
日本の足元に寒河江の草履
寒河江の手編み草履は、日本各地のお祭りや、日本に数多く残る伝統舞踊、時代劇や人形浄瑠璃など、様々な場面で活躍しています。また、日本の国技「相撲」でも使用されており、草履を履いて土俵に上がることができる三役格以上の行司が、寒河江の草履を履いています。
使われる場面によって仕様が変わるため、その場面に合う草履を、職人1人1人が心を込めて手編みしています。日本の足元を支える寒河江の草履。お祭りや時代劇、相撲などを見るときには、ぜひ足元にも注目してみてください。
(画像提供:軽部草履株式会社)
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