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大神楽

更新日:2022年3月7日

春を告げる行事「大神楽」
 旧正月が明け、寒河江にもそろそろ春が来るころ、厄をはらい福を招く「大神楽(おかぐら)」が家々をまわりました。もともとは神社の祭りの時、神前に奉納するのが神楽でしたが、これが発展して民間で行う里神楽が大神楽として定着しました。
 寒河江には七日町に「◯一神楽」(まるいちかぐら。まるいちは丸の中に漢数字の一)という一座がありました。神楽師は阿部弥三郎という人で、初代作治・二代作蔵を継いで三代目太夫(たゆう)でした。太夫というのは芸能の集団の長という意味です。太鼓や笛・三味線の囃子方もいて6・7人のメンバーでした。
 本来は正月に行われるものですが、寒河江地方は雪が多いので、雪があまり降らなくなる旧正月ころから始まりました。まず旧正月の元旦、西小路の和田宅(当時)を皮切りに始まるのが恒例でした。次は向かいの塩野家、槇家…と続きます。県内一円に大神楽の同業者の組織があり、それぞれまわる地域も決められていました。寒河江市内はほとんど「◯一神楽」でした。
 大神楽の曲芸は長獅子(ながじし)・おかめひょっとこ・ばちとり・傘まわし・皿まわし・鐘馗(しょうき)大臣踊りなど様々ありました。家々を一軒一軒まわり、普通の家では門付けとして白米一升をあげ、獅子に頭をかみつくまねをしてもらい、厄よけをしてもらいました。さらにご祝儀をあげると、曲芸のランクが上がり、おかめやひょっとこなども演じてくれました。商売をしている家や大きな家ではたくさんご祝儀を出すので、奥座敷まであがり、全部の芸を披露してくれました。子どもたちはお神楽のうしろをついて、曲芸をみてまわりました。子どもにとっても楽しみな春の行事でした。
 阿部弥三郎は昭和35年ころで太夫をやめました。その後は天童の人が縄張りを引き継いだそうですが、いつの間にか、寒河江の家々をまわる「大神楽」はなくなってしまったのです。
 黒い和服姿で、「明けましておめでとうございます!」の声で威勢よく家々をまわる様子は、寒河江の春の風物詩でした。

平成29年3月市立図書館発行「寒河江の人物・行事」リーフレットより

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