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耳明け

更新日:2022年3月15日

耳明け
 耳明けはいつ頃からはじまったのだろうか。今も耳明けの行事を続けている家庭はどのくらいあるのだろうか。それほど耳慣れない言葉になった。
 「お大黒様 お大黒様 まったん大根で耳明けて今年より来年いい耳聞かせてけらっしゃい」「お大黒様 えびす様 まっかん大根で耳あけて、今年より来年いい耳聞かせてけらっしゃい」と聞こえてくる。唱える言葉は若干ことなる。お大黒様だけにお願いする地域とお大黒様とえびす様の二神にお願いする地域がある。
 耳明けの日の晩に、家の家長が神だなに尾頭付きの魚(たづくり)を供える。そして一升枡に煎り豆と硬貨を入れてお盆でふたをし上下に振り「お大黒様・・・」と三回繰り返し、最後に最敬礼をする。家族は神妙にこの様子を見聴きしている。耳がとても大切なもののように思われてくるのである。
 その儀式が終わると一升枡を座敷の真ん中に置く。そこに子どもたちが集まって、一人ずつ手を大きく広げて、目をつむって一升枡に手を入れて硬貨を目当てにつかみとる。硬貨をもらえるので大喜びだった。この行事が行われていたころは楽しみが少なかったので、とてもにぎやかになった。
 桝の中に入れるお金は1円20銭、うるう年は1円30銭であった。大江町の上北山では、翌日除災招福を願って川に流すという。
 「まったん大根」または「まっかん大根」と呼ばれる大根とは二股の大根のことである。形のよい二股の大根は100本の内1本あるかないかくらいに貴重なものであった。
 なぜ耳明けに二股の大根を供えるのであろうか。西根に次のような話がある。
 大黒様はかしこくて男振りも良かったので、ねたんだ神様たちが大黒様をいじめてやろうと相談し「大黒様はお餅が大好きなので、沢山食べさせて苦しめてやろう」と決まった。大黒様は無理やり餅を食わせられたので、満腹で苦しくて死にそうであった。苦しみながら帰る途中、川で大根を洗っている女の人がいたので、「大根を一本貰いたい」と頼んだところ、女の人に「この大根は主人が数えているのであげられません」と断られた。大黒様は「それではその二股大根の片方を戴きたい」と言ったら差し支えないと片方の大根を分けてくれた。
 早速生のまま食べたら、たちまち腹の具合がよくなって命拾いをしたという。大黒様は餅を食べた後には大根おろしを食べると消化がよくなることを教えたのである。

平成30年3月市立図書館発行「寒河江の人物・行事」リーフレットより

 

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