このページの先頭ですサイトメニューここから
このページの本文へ移動
寒河江市



本文ここから

『長岡山松の木物語り』大とかげ退治の大蛇松

更新日:2010年8月24日

寒河江むかしばなし
 昔のことです。
 山形盆地が「藻が湖」という、まだ湖だった時代のことです。
 寒河江は、西村山地方一番の町として栄え、都や対岸の町と交易のために、毎日多くの舟が湖を行き交っていました。
 寒河江の舟着場は西根と本楯にあり、東根方面には西根、山形方面には本楯が利用され、米や木の実や紅花、時には寒河江川で採れた砂金などが運ばれていました。西根の舟着場近くの小高い丘には、舟着観音と呼ばれる「大木山観音堂」が、また本楯には堤防稲荷が置かれ、舟の安全を願う人々に信心を集めていました。
 ある日のことです。東の空に異変が起きました。東根の奥にある黒伏山にわき出した黒い小さな雲が、むくむくとたちまち大きくなり、麓の東根を真っ黒に覆ってしまいました。雲の中ではやがて火の手も上がったようです。何かとてつもない大変なことが起きているにちがいありません。これを見て、湖の上の舟は、あわてて舟着場に戻って来ました。
 町の人、舟乗りなど大勢の人が舟着観音堂の丘に集まり、心配そうに藻が湖越しに東根方面を眺めました。
 やがて、黒雲も薄れ、人々はしだいに落ち着きを取り戻しました。  突然、一人が藻が湖を指して叫びました。
 「何かやってくる。湖をかき分けてやってくる。」人々は男の指さすほうを一斉に見ました。するとどうしたことでしょう。小山ほどもある大きな白波を立てて、何かこちらに向ってきます。舟をいくら頑張って漕いでも、とてもあんな波は立ちません。とてつもなく大きなものが、しかもものすごい速さでやってくるようです。年とった船頭たちも、何事が起きているのかまったく分かりません。人々はあわてはじめました。その間にも何かが、波を立ててぐんぐん近づいて来ます。
 その波が浅瀬にさしかかった時です。大きな水しぶきが立ったかとおもうと、大きな口と長い尾が水面に見えました。人々からは、「うわぁ、化け物だあ!」と悲鳴が上がりました。さらに化け物は速さを増したように、ぐんぐんと舟着場に向って来ます。
 たちまち舟着場に着きました。後を追って大波も打ち寄せ、つないである舟は大揺れです。
 化け物はその勢いのまま一隻の舟に体当たりしました。舟は底を見せて大きく跳ね上がったかとおもうと、空中で真っ二つになってしまいまいした。積み荷の野菜や木の実も吹き飛びました。
 化け物はそれらを一呑みすると、水面から大きな目玉を出し、辺りを確かめるかのようにギロリと見回しました。
 そしてゆっくりと陸に上がりはじめました。ゴツゴツした表面、大きな頭、鋭い歯がぎっしりと生えた恐ろしげな口、その口の中から飛び出す先の割れた赤い舌、短いながら太い足、しかもその足には大きな爪が生えています。そしてどこまでも長く太い尻尾。化け物は一番大きな舟よりもさらに大きな、それはそれは恐ろしげな「大とかげ」でした。
 たちまち人々は、「化け物だあ。化け物とかげがやってきたぞ~。と叫び、寒河江の町目指し駆け出しました。
大とかげは、太い尻尾を振り回しながら、どしどしと追ってきます。舟着場や七日町の家々を壊し、丸内へと追って来ます。屋根越しに頭や尻尾が見えます。たちまち、寒河江の町も大騒ぎになりました。ある者は荷物を抱え、ある者は家族をさがし右往左往。いたるところ悲鳴がわき起こります。大とかげは町の入り、ますます狂ったように暴れまわります。とうとう夕方までには、町はほとんど壊されてしまいました。
 人々は命からがら長岡山の松林に逃げ込みましたが、何もできず恐ろしくて恐ろしくてただただ震えるばかりでした。町を壊し尽くした大とかげは、今度は人々を追って長岡山へ上ってきました。
 松の木を倒しながら、人々の隠れる松林にどんどん近付いてきます。人々はいよいよだめかと念仏を唱えはじめました。
 その時です。松の木の枝がゆらぎはじめ、しだいに松林全体がぎしぎしとざわめきはじめました。
 やがて嵐のようなゴオーとうなりをたてたかと思うと、松林の奥から一匹の大蛇が現れました。
 人々は大蛇と大とかげのはさみうちに、もう声も出ません。しかし、大蛇は人々の間を通り抜け、大とかげに向かっていきます。人々はこのなりゆきを息を詰めて見守りました。
 大とかげは頭を下げ、反対に大蛇は鎌首をもたげて隙をうかがいます。しばらく睨み合いが続きましたが、やがて同時に飛び掛かりました。
 大蛇は大とかげに巻き付き、ぐいぐいと締めますが、大とかげも負けてはいません。尻尾を打ち振り、爪のある太い足で引き離します。くんずほぐれづの戦いは延々と続きました。やがて、さすがの大とかげも動きがにぶくなってきました。そこをとらえて大蛇は、大とかげを頭から飲み込みはじめましたが、それでも大とかげは大暴れを続けます。
 いつしか空も白みはじめ、やがて朝日が松林の中へも差し込みました。
 陽を浴びた大蛇は、大とかげをしっかりくわえ込んだまま、松の木に姿を変えました。人々はそれを見て、長岡山の松の木の精霊が大蛇に姿を変えて助けてくれたのだと気が付きました。
 それ以来寒河江の人々は、長岡山の松の木をなお一層大切にするとともに、草木をそれはそれは大切にしたそうです。
 また、藻が湖の対岸の人々も、とかげ退治の結末に驚きながらも、長岡山の方を眺めて感謝したそうです。
 この松は、長岡山の頂上、陸上競技場の入り口に、今も大とかげをくわえたまま立っており、『大とかげ退治の大蛇松』として大切に保存されています。

お問い合わせ

生涯学習課
〒991-0003 山形県寒河江市大字西根字石川西333
電話:0237-86-5111 ファックス:0237-86-2201

(代表)cherry@city.sagae.yamagata.jp

こちらのメールアドレスに頂いた問合せ等については、各課のメール アドレスから
返信する場合がありますので、寒河江市のドメイン(@city.sagae.yamagata.jp)からの
メールを受信できるよう設定くださいますようお願いいたします。

本文ここまで


以下フッターです。

寒河江市

〒991-8601 山形県寒河江市中央1丁目9-45
電話:0237-86-2111 ファックス:0237-86-7220
Copyright (C) Sagae City All Rights Reserved.
フッターここまでこのページのトップに戻る