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島の鮭ふ化場

更新日:2010年8月24日

寒河江むかしさがし
 市史編纂委員 宇井 啓
 毎年秋になると、島地内の最上川には産卵のために鮭がのぼって来た。
 明治3年(1870年)の嶋村物産調にも、少々の鮭を捕って寒河江・長崎・山辺方面に売りに出るとある。
 川漁が盛んだったらしく、このころ、村全体で19艘の川船を保有していた。
 大正4年(1915年)、鮭の遡上を増やそうと、「沖島孵化場」と称する人工のふ化場が作られた。その代表者は、沖津勇治だった。
 ふ化場は岩鼻のわずか上流の左岸で、小屋は8坪。卵の収容力は35万粒。
 大正15年春に放流した稚魚は11万8000尾、前年の鮭漁獲数は418尾とある。
 ところが昭和16年、食糧増産のための新堰掘削の影響をうけて水が悪くなり、ふ化場をその下流、「総助の栗林」の下に移す。
 最後は、対岸の小塩(中山町)の杉林の泉に移り、昭和30年ころ、島の鮭ふ化場は終わりを告げた。
 「水さがし10年」というふ化場経営の苦労を見ていた沖津昌雄さん。勤めながら朝晩、鮭を捕ったという。
 三番沈床に船をつなぎ、河岸に番小屋を建て、真暗やみの中、ホリ(産卵場所)に集まる雌と数尾の雄をめがけて投網を打つ。
 一晩に5、6尾を捕る。この卵は、すべて高木のふ化場(天童市)に運んだ。家では死んだ卵しか食べられなかったと語る。
 この鮭漁も、昭和55年ころに終わったという。
 太古のままに流れる島の最上川。逆白波を立てて、鮭がのぼってくるような気がした。

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